休職期間の取り扱い
休職期間の開始日について
休職期間を定めている会社において、その起算日は休職状態が始まった時からではなく、正式に会社から休職が発令された日から起算することとなります。
休職前に欠勤がある場合はその日は休職期間には含めないことが多いです。
トラブル防止のため、辞令を交付するなどして休職開始日が明確になる書面を残しておくが大切です。
休職期間の通算について
一度復職して、しばらく勤務してからまた同一の傷病又はそれに伴う他の傷病により休職が繰り返されてしまう場合、復職する度に休職期間を最初から取り直していては休職制度の有効性が失われてしまいます。
そのためには他の傷病であろうと、一定期間内の再発であれば、休職期間を通算する等規定しておくとよいでしょう。
休職期間中の取り扱い
1.休職期間中の給与
休職期間中の賃金の支払いの有無についての明示は法律で規定されているわけではありませんが、休職期間中は無給だと規定している会社が多いです。
社員に誤解を与え、トラブル防止のためにもその旨を就業規則に記載しておくことが必要です。
関連会社へ出向する場合の休職は、給与を出向先で支給するのか、出向元で支給するのかを明確にし、就業規則に明記しておくことをおすすめします。
休職中でも一部給与を支給する場合は具体的な基準を明示しておく必要があります。
2.休職期間中の勤務年数の取り扱い
(退職金)
休職期間中も労働契約は継続していますので勤続期間となりますが、退職金の算定をする際、勤続年数に入れるか入れないかが問題となります。
休職期間を勤続期間としないのであれば、その旨を明記しておく必要があります。
(年次有給休暇)
休職期間中は労働義務が免除されている期間ですので、年次有給休暇を取得することはできません。
また、年次有給休暇付与に係わる出勤率については、その期間は全労働日から除いて計算します。出勤日も当然カウントしません。
休職により年次有給休暇付与要件の出勤率8割以上を満たさず、付与されなかった場合でも、勤続期間は通算されます。