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ついき社会保険労務士事務所
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お役立ちコラム

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社員から提出されたパートナーシップ証明書!会社はどう対応する?

ダイバーシティが社会に浸透しつつある中、障がい者や外国人への会社での配慮は進んできているように思われます。
しかし、LGBTに対してはまだまだ理解が進んでいないように感じます。
そもそも会社内にいないからと思われている社長様も多いのではないでしょうか?

LGBTの人たちへの配慮として、全国でさまざまな取り組みがなされています。
パートナーシップ制度を取り入れている自治体は2019年には27自治体となっています。
現在、大阪市が100組を超え全国でトップになったようです。
もしかしたら、社員がパートナーシップ証明書を会社に提出してくるかもしれません。
その時に驚いて、どうしたらよいのかあたふたしてしまうのでは会社の対応としてどうでしょうか。そして、当社では対応していないと門前払いしてしまったら・・・
その社員さんは自分が認められていないとショックを受けてしまうでしょう。
大企業では就業規則の改定など、さまざまな配慮をし始めているようです。
中小企業はどのような取り組みから始めていけばよいでしょうか?

 

1. そもそもパートナーシップ証明書って何?

大阪市のホームページを見るとこのように記載されています
「パートナーシップ宣誓証明制度は、婚姻と同等の法律上の効果があることを証明するものではありませんが、大阪市として、両当事者の方が、互いを人生のパートナーとして日常生活において相互に協力しあい、社会においていきいきと輝き活躍されることを期待して、パートナーシップ関係であることを宣誓されたことを公に証明するものです。」

法的効力はなくても、さまざまな場所で婚姻関係にある二人として認められているようです。
会社内で、夫婦なら当たり前に適用される制度を、パートナーシップ証明書を持つ社員を法的効力のない夫婦だからと言って適用除外にしてしまうのは配慮に欠けるのではないかと思います。
法的効力がなくても会社ではどのような配慮ができるでしょうか?

 

2. 扶養手当等の支給

法的効力がないということは、社会保険の扶養や税制控除の対象にはならないということです。
現行の就業規則では扶養手当の支給対象を税制上の扶養控除の対象になる配偶者や子どもとしている場合がほとんどだと思います。
パートナーシップ制度における婚姻関係の二人に子どもがいた場合、二人のどちらかの子どもとして戸籍上登録されています。
二人のどちらかが働いて、もう一方が家事育児(専業主婦または専業主夫的役割)を担っていた場合、社会保険の扶養や税制控除の適用とならないため、会社での扶養手当も支給されません。


子どもに対する扶養手当も、パートナーの子どもとして戸籍上登録(パートナーに親権がある)されていたとしたら同様に社会保険の扶養や税制控除の適用とならないため、支給されません。
扶養手当の支給を「税制上の扶養控除の対象となる配偶者又は子ども」という文言にプラスして、「税制上の扶養控除対象の収入要件を満たすパートナーシップ制度における婚姻関係のパートナーや子どもも対象」とするように制度を変えていく必要があります。
その際にはパートナーシップ証明書の提出を義務付けることは必要になるでしょう。

 

3. 特別休暇、育児休業、介護休業の取得

特別休暇は会社が任意で定める制度で、ルールは各社様々です。
戸籍上の家族をベースに結婚休暇や慶弔休暇を定めていることがほとんどです。
例えば、結婚休暇は法的な婚姻関係にあることが通常だと考えられているでしょうが、パートナーシップ制度による婚姻関係が認められた場合でも結婚休暇を認める必要があります。
出産休暇も同じです。


慶弔休暇の場合、パートナーシップ制度におけるパートナーの家族を対象にする必要もでてくるでしょう。
パートナーに親権がある子どもも実子、養子と同じように扱っていく必要もありますね。

育児休業や介護休業は育児介護休業法における取得要件では対象とはなりません。

国の給付金は受けることはできませんが、会社として何か配慮する点があるとすれば、「取得できません」としてしまうのではなく、「法的な給付は受けられないが〇カ月間はお給料の半額を会社が負担する」、そこまで余裕がなければ「無給ではあるが休業は育児介護休業法と同期間取得できる」とするなど規定することは可能です。
ただし、育児休業の場合、法律上の社会保険料の免除対象となりませんのでご本人には必ず通知しておくことが必要です。

 

 

 

パートナーシップ制度における婚姻関係の二人は、法的な婚姻関係にある夫婦と心理面は何も変わりありません。
お互い愛し合い、一緒にいたい、家族になりたいという思いで将来を誓い合い、婚姻関係を選択しているのです。
子どもを持ちたいという気持ちも同じでしょう。


マイノリティの中にいる自分たちを基準に置いてしまうことで、LGBTの方々の気持ちに配慮できない現状があります。
もちろん法的に適用されないという違いはありますが、気持ちの本質は同じです。
そこを理解して、会社側もLGBTの方々の気持ちに寄り添っていきましょう。

働き方改革に合わせて「家族のあり方改革」

家族の多様性を会社も受け入れていきましょう

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