介護離職問題、会社としてどう対策する?
介護離職防止に国は奮闘しています。でも現実は少なくならず増える一方です。
このままでは、この先労働力がどんどん減ってしまう一方で、介護離職者はどんどん増えています。
若い人が入ってこなくて今の社員の平均年齢は40代!っていうような会社はありませんか?
今から対策しておかないと、その社員さんたちは近いうちに親の介護に直面します。
その時になって、「本人に任せるしかない」なんて放任していたら、その社員さんが退職を選択する可能性が高まりますよ。
では会社として介護離職を防止するためにどのような取り組みをしていけばよいのでしょうか?
1.介護離職者ってどれぐらいいるの?
総務省「就業構造基本調査(2007 年・2012 年)」の統計によると、介護離職者はこの2012年時点で10.1万人となっています。その中でも50歳から60歳代前半が最も多いようです。
女性の方が圧倒的に多いですが、働く女性の増加に伴い男性の介護離職者が徐々に増加していることも注目です。
2.なんで介護離職してしまうの?
介護離職をする理由の一番としては、「介護をする人が自分以外にいなかった」となっており、続いて「仕事と介護の両立に体力的限界を感じた」「仕事と介護の両立に精神的限界を感じた」という理由が挙げられています。
「職場で両立の理解が得られなかった」という理由も男性の2割以上いらっしゃいます。
実は、50代~60代の男性は、「休み返上で仕事するのが当たり前」「有給取るなんてもってのほか」「家族のことで会社休むなんてありえない」という労働環境で育ってきた方々です。
一方親の介護に直面した時、「自分で責任を持って介護しなければいけない。」「他人に頼るなんて申し訳ない」などと罪悪感と責任感がとても強い方々なのです。
介護はプライベートなこと、これは自分で解決することであって、会社に相談することではないと思い込んでしまっていることが離職に繋がっているのだと考えられます。
3.介護休業は自分が介護をする休業期間じゃない
介護休業は自分が介護をするための休業ではありません。
介護休業は通算93日で、上限3回まで取得することができます。介護期間は平均10年と言われているのに、介護のために介護休業を93日使ってしまったら、会社を辞めるという選択をするしかなくなるかもしれません。
介護休業は介護をどうやって仕事をつづけながらやっていくかを、計画を立てて準備する期間だとまず考えるようにしましょう。
家族とケアマネジャーと共に相談しながらどうしたら、仕事と両立することができるか相談して決めるのですが、決して自分だけが負担にならないようにしっかり話し合いましょう。
4.会社として何ができるでしょうか?
・相談しやすい環境づくり
とにかく、介護が始まりそうだという人がいたら、いつでも相談できる職場環境を作りましょう!
介護との両立は周りの理解が絶対不可欠です。
特に、今まで仕事一徹で働いてきた、男性中間管理職の方はなかなか相談しにくいと思っておられます。周りが「大丈夫ですよ。お互い様ですよ。」と言えることがベストな状態です。
若い社員はまだまだ親は元気で、介護なんてまだ先のことだし、他人事かもしれません。ですが、介護は誰もがいつかは直面することだということを意識づけしてもらうようにしましょう。
・両立できる制度作り
育児介護休業法では短時間勤務措置が義務規定になっていますが、他にもフレックス制度や在宅勤務など、利用しやすい制度を導入していくとよいですね。
社員にアンケートをして、仕事と介護を両立していくために導入した方が良い制度の意見を聴くのもいいかもしれません。制度を導入する際は必ず就業規則に明記しましょう。
・介護について考える研修の機会を
これから介護を迎えるであろう人たちには事前の知識と、仕事と両立するための計画を立てるという心構えを事前に周知させることが大切です。介護保険料を支払う40歳になったら、目をそらさずに介護に向き合う機会を作りましょう。
まだまだ若い30代までの社員には、介護と仕事を両立することの大切さを認識してもらいましょう。
お互いの価値観を認め合い、自分事と捉える研修を定期的に実施すると、自然と「お互い様意識」は職場に定着していきます。
ハッピーシェアリングではそういった介護離職防止の研修にも力を入れています。
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