「君たちはどう生きるか」から見るメンター・メンティー制度
「君たちはどう生きるか」、80年以上も前に書かれた本ですが、今空前の大ヒットとなっています。
先日私は、映像化されたものをテレビで見て、池上彰さんがおっしゃったことに胸を突かれたのです。
池上さんから私が得たことは何でしょうか・・・
1.コペルくんと叔父さん
コペル君は叔父さんに、何かあるごとに相談するのです。
お父さんがいないからというのもあるけれど、お母さんではなく叔父さんに相談しやすさがあるのでしょう。
これを池上彰さんは「斜めの関係だから相談しやすい」とおっしゃいました。
斜めの関係!コペル君と叔父さんはまさにメンティーとメンターの関係です。
2.メンターはよき相談者であり助言者
コペル君が叔父さんに相談するのは、コペル君が迷ったときに決断のヒントをくれるからです。
自分がどうするべきか、迷ってわからなくなってしまったとき、そのまま放置するのではなく、何かしらの決断と選択を下しているのです。
叔父さんはその時々で俯瞰的にものを見ることの大切さを教えてくれます。
自分の視野だけで物事を考えるのではなく、俯瞰的に物事を見ることで、「今ここ」にある自分に気づくことができます。
メンターはただ同情してくれる人ではありません。助言に代わる質問をすることで、メンティーに自分で決断するヒントを与えるのです。
3.現代社会におけるコペル君と叔父さんの関係の必要性
「最近の若者は自分で決断する力が不足している」とよく耳にします。何でもインターネットで口コミを検索したりして、見ず知らずの他人の意見に左右されてしまっています。
決断に迷ったとき、身近に相談できる人はいますか?
決断のヒントを的確に与えてくれる人はいますか?
真のメンターは自分の意見を押し付けたりしません。
ここに斜めの関係の深さが隠されています。
親や上司、教師だと教育、指導になりがちで、相談者は本当の気持ちを伝えづらかったりします。
横の関係だとどうでしょう。同僚、友達。きっとただの愚痴を吐く場所となってしまうでしょう。愚痴を吐いて同情してもらうことですっきりするかもしれませんが、事の真髄は何も解決しません。
斜めの関係、例えばコペル君だと叔父さん、職場だと他部署の先輩など、直属の関係でないからこそ、本当の気持ちを言えたりするのです。
4.メンターの素質
誰もがメンターになれるわけではないと思います。
メンターはメンティーの成長を促すキーマンです。メンターとしての素質が必要です。
それでは、その術はどうやって身につければよいのでしょうか?
社内でメンター制度を導入する場合は、メンターとなる人にメンタリング研修を受講させたりして、メンティーとの会話の技術を勉強する必要があります。
弊社併設の「株式会社ハッピーシェアリング キャリアトランプ®認定校 関西中央校」では、メンター育成に必要なメンタリング研修を実施しています。
キャリアトランプ®は心理学に基づいたツールです。気持ちを言語化することで、スムーズなメンタリングを進めることが可能でとても効果的です。
社内にメンター制度を採り入れたい企業様、メンターとしての腕を磨きたい方は是非お問い合わせください。