心当たりはありませんか?逆ハラスメント
昨今、なんでもかんでもハラスメントを主張する人が多くなり、中間管理職の中には部下とのコミュニケーションを取ることが怖くなり、委縮してしまっている人も少なくありません。
ハラスメントというと上司から部下に対する嫌がらせをまず想像しますが、逆に部下から上司に対する逆のハラスメントも存在します。
しかし、上司は自分の立場上なかなか相談することもできず、また相談窓口さえない会社も多く存在しています。
1.中小企業が悩む「逆マタハラ」
最近では、厚生労働省が妊娠や出産を理由に職場で嫌がらせするいわゆる「マタハラ」についての相談件数が増加していることをふまえ、厚生労働省はマタハラをした人を懲戒処分にすることを就業規則に明記するように指針を出しました。
もちろん妊娠していることを理由に嫌がらせをすることは許されることではありません。
母体に配慮した働き方をさせることは会社に課せられた義務でもあります。
ただそれを利用し、横柄な態度をとり、会社に迷惑かけるような行為をすることはどうでしょうか?
今はそういった「逆マタハラ」に頭を悩ませている管理職も多いようです。
大企業であれば、整った人事評価制度、代替え要員の確保などができるのでしょうが、それでも限界を感じた資生堂は全ての女性が平等に働けるような制度作りをしました。(いわゆる「資生堂ショック」)
少子化対策、労働力不足の解消の対象として「妊娠している、子育て中の女性」に配慮しすぎたために、独身女性が子供を産む機会に恵まれない現実があることも知っておかなくてはなりません。
実際、子育て中の女性のフォローを任されてしまった独身女性が、忙しくなりすぎて長時間労働が増え、彼氏と会う時間もなく、疲れ切って休日もデートする気力もなくなり、結局別れてしまったというケースを知っています。彼女は上司に相談しても仕方ないと言われ、我慢して頑張っていました。
もしその女性が彼氏とこの先結婚していれば、子供も期待できたかもしれません。
妊娠中、子育て中の女性は配慮されて当たり前という気持ちを捨て、自分ができない仕事をすることで負担を感じている人がいないか察知し、その事実を上司に報告することが大切です。
2.裁判でも労災が認められた逆パワハラ
厚生労働省は職場のパワーハラスメントの定義を、
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」としています。
この優位性という言葉を上司から部下だけの狭い捉え方をしている方も多いのではないでしょうか?
これは上司と部下の関係だけではなく、同僚の間でも、上司から部下でも全ての人間関係において言っているのです。
情報化社会となり上司よりも知識が豊富で成績優秀な若手社員も多くなっています。そのような場合、若手社員は上司を侮辱する、無視をする、ひどいケースではSNSに悪口を載せたりして他の社員と結束して嫌がらせをすることもあります。
経営者側と従業員側の間に立つ中間管理職は部下になめられていることは自分の指導不足にあり出世にも響くと誰にも相談できないという辛い状況に追い込まれます。
結果、うつ病になってしまい休職、退職に至るという現実もあります。
部下から上司へのパワハラにより、うつ病を発症し自殺してしまった男性の遺族が、労災認定を訴えた結果認められたという事例もあります。
会社としては中間管理職に部下の問題を一方的に解決させるように任せるのではなく、中間管理職が抱えている問題を経営者側の問題でもあることを認識し、現状をしっかり把握し、共に解決方法を見つけていくようにしなければなりません。
3.女性も気を付けて、逆セクハラ
セクハラというと男性から女性への性的な嫌がらせをイメージしますが、女性から男性に対してもセクハラは成立します。
例えば、パンツが見えそうな超ミニスカートで胸元ががっつり開いたキャミソールという服装で出勤する女性がいたとします。男性は目のやり場に困りますし、注意しようもんならセクハラと言われかねないと躊躇してしまいます。
このように女性はオシャレの一貫でそのような服装で出勤しているかもしれませんが、周りの社員に不快な思いをさせてしまっていることもありますので、注意しましょう。露出することは男性が喜ぶことだと思っている方は大間違いです!!
他には、「男のくせに・・・」と口癖になっている方はいませんか?これも男性にとっては不快な言葉です。
女性が男性に言われてセクハラだと思うことは同じように、男性も不快に感じるセクハラ言動と捉えられるということを知っておきましょう。
「自分がされて嫌なことは、人にしないようにしましょう」
小さいころに口うるさく親や学校の先生に言われたことは、社会人になっても活きています。
当たり前のことだと思われるでしょうが、意外とできていないことが多いです。
一度、自分の日頃の言動について振り返ってみて、まずかったなと思われた方は直していくようにしましょう。