会社に認めてほしい!不妊治療休暇
国が少子化対策に力を入れるのであれば、不妊治療のための休暇を法律で規定してほしいと思っています。
育児介護休業法では妊娠している人、出産後間もない人、育児中の人を守る法律しか存在していません。
厚生労働省より働きながら不妊治療をしている方への配慮についてのパンフレット(平成26年2月)が出ていますので今後、法律で規定されていくことを期待しています。
1.離職率の高い不妊治療
不妊治療をしている女性の9割が仕事と治療の両立は難しいと考えています。そのうちの4割以上が離職、または働きやすい職場へ転職という選択をしています。(NPO法人Fine2015調査)
理由としては以下の結果です。
1位 通院回数が多い
2位 体力的に負担が大きい
3位 職場で協力や支援を得にくい
不妊治療の支援制度が整っていると答えたのは全体の6%と低い数字です。
2.相談できる環境づくりを
高額な治療費が必要な不妊治療は、仕事を辞めてしまうと経済的に厳しくなり、何とか両立しようと会社に不妊治療をしていることを隠しながら続けている人も少なくありません。
デリケートな問題なので、会社に言いたくないという人もいるでしょう。
しかし、不妊治療は体力的にも精神的にも負担が大きくかかってしまいます。それに過重労働が重なるとなると不妊治療の継続が難しくなってしまい、妊娠を諦めるという結果にもなりかねません。
妊娠については気軽に報告できるけれど、不妊治療については話しづらいという声も上がっています。
厚生労働省から不妊治療について理解を求めるパンフレットを配布されましたが、大手企業は不妊治療について制度を規定するなどして配慮をしていますが、中小企業は育児休業者に配慮するのがやっとで不妊治療の社員にまで手が回らないという状況です。
不妊治療を隠して仕事を続けるストレス軽減のために、せめて上司に自分の状況を伝えることができるような職場の雰囲気であることが大切です。
また、不妊治療をしている女性は35歳以上の方が多いということもあり、管理職に就いている方もいらっしゃると思います。その場合は部下の理解も必要となってきます。
一方、とてもデリケートなことですので、プライバシーの保護には十分注意しなければならないことも理解しておく必要があります。
3.不妊治療に配慮した制度
大手企業が整備している不妊治療についての制度はどのようなものがあるでしょうか。
・不妊治療のための休職制度
・通院のための1日単位での不妊治療休暇制度
・共済会から不妊治療代の一部を補助
・妊活についてカウンセリングを社内で実施
中小企業でここまでの制度を設けることは難しいかもしれません。
育児・介護休暇と同じような不妊治療休暇を設けることから始めてはいかがでしょうか?
4.プレマタニティハラスメントの防止
マタニティハラスメントについて認識が高まってきていますが、妊婦に対しては配慮していても、不妊治療している方に対しては配慮できていないことが少なくありません。
「早く成功させろ」「休み過ぎ」「もう諦めたら?」「どっちが原因なの?」など・・・
妊娠の報告があった社員が現れた後に、不妊治療をしている女性に「次はあなたね。頑張って」なんていう励ましの言葉も本人とっては相当なプレッシャーとストレスです。
心無い一言で、不妊治療をしている女性を傷つけていることがあります。
女性だけではなく、男性も同じです。
不妊治療のため残業できない男性に心無い言葉を言う上司もいます。
不妊治療は夫婦お互いの協力が不可欠です。そのために会社も社員が退職の道を選ばないように両立支援を行っていくことが大切です。
少子化問題は深刻です。将来の労働力不足は顕著に現れてきています。
他人事とは思わず、社会全体が深刻な問題と捉えて少子化対策に協力していくことが、少しずつ問題解決に繋がっていくのではないかと私は考えます。