時代は変わる!副業禁止から専業禁止へ
1.副業とは違ったパラレルキャリア
日本のサラリーマンの平均年収は減少する一方です。特に30代の平均年収の減少率は大幅に減少しています。
会社が不況の影響で、残業代が出ないのでサービス残業をし、経費削減のために接待費を支払ってもらえないから本人は自腹で接待している、などサラリーマンの経済状況が圧迫され続けています。
このような状況の中、会社にしがみつくのではなく、自分で起業したり、NPOの活動など、終業後や土日の空いた時間を自分の好きな仕事の時間に費やす「パラレルキャリア」がじわじわ注目されてきています。
パラレルキャリアとは経営学の神様、ピーター ドラッカーの著書で提唱している言葉で、歴史上はじめて人間の方が組織よりも長命になったために、人は組織のみに頼らず、それとは別に始める第2の人生が必要であり、その第2の人生がパラレルキャリアなのだとドラッカーは述べています。
いわゆる日本でいう二足の草鞋を履くということです。
ダイバーシティが求められる中、働き方にも多様化が求められているのです。
パラレルキャリアが副業と違うのは、ただ家計の足しにするため、お金を増やすことだけが目的ではないということです。
自分の可能性に挑戦し、自分で生きる力を身につけ、自分の好きな仕事をすることで自身のキャリアを成長させることができるのです。
2.「パラレルキャリア」のメリット
会社がパラレルキャリアを認めてしまうと、本業が疎かになり、最悪の場合退職して副業の方に専念してしまうのではという懸念はないのでしょうか。
本業はライスワーク(ごはんを食べていくための仕事)で一方副業はライフワーク(本当にやりたい仕事)と言われています。
ライスワークを軸にライフワークを行うのですから、ライフワークに専念するという選択肢はありません。
むしろ会社にとってメリットがたくさんあるのです。
①自身で時間の管理をしっかりするようになり、残業代の削減になる。
終業後や休日にパラレルワークを行うことで、労働時間のメリハリができ、だらだら残業をすることがなくなり、残業代の削減につながります。
②会社が指示しなくても勝手にOFFJT
パラレルキャリアにより社員本人が自分自身でキャリアアップを図ることにより、社内教育をしなくても営業能力、企画力のアップ、メンタル面の強化につながり、本業にもいい影響を与えることとなります。
③新卒採用時の宣伝効果
わが社では社内だけでなくパラレルキャリアにより多くの可能性が広がります。と発信することにより若者にインパクトを与えることができます。企業イメージアップにもなります。
④若手社員の退職を防ぐ
入社3.4年後に退職する社員は後を絶ちません。理由としては会社にやりがいが持てない、他の仕事もやってみたいなどの会社に対するモチベーションの低下が原因であることがわかります。パラレルキャリアで自分のやりたい仕事を兼務することにより、モチベーションを保つことができ退職を防ぐことができます。
3.でもやっぱりリスクが気になる
副業禁止の理由として、本業が疎かになる、営業機密漏えいなどの懸念があるとは思います。
就業規則には本業に関連する業務のみを副業禁止とし、書面で申請することによりパラレルキャリアを認める規定を作りましょう。
4.会社が導入するパラレルキャリアとは
・ボランティア活動支援
ボランティア休暇を設け、青年海外協力隊などへの参加を認める制度です
・キャリアアップ支援制度
自身の業務と直接関係のないことでもキャリアアップに繋がることは支援するという制度です。
その他社員の趣味を応援するチャレンジ制度など。
社員の社内だけではなく他でも活かせる能力を会社が支援することで、その能力を社内でも活かせるように社員が自分自身の力でキャリアアップしていくことが望めます。
2枚以上の名刺を持つのが当たり前の時代が近い将来やってきます。
今のうちからパラレルキャリアを導入しアピールすることで、可能性を秘めた優秀な人材を集めることができます。
社員の内に秘めた能力を自分自身で開花させる機会を会社が与えることで、自分自身の力でキャリアアップしていくのであれば会社としても大きなメリットとなるのではないでしょうか。