耐えられない社員の体臭、注意できる?
梅雨から夏場は湿気や汗で、体臭が気になる季節です。
体臭がきつい社員がいると、周りの社員は不快な気持ちになりますし、ひどい場合は気分が悪くなったり吐き気が催したりすることもあります。
そんな体臭がきつい社員を注意することはできるのでしょうか?
1.体臭により迷惑をかけることもハラスメント
体臭には本人の体質によるもの(わきが、加齢臭)とそうではないもの(香水、たばこなど)があります。
このような体臭により周りの社員が不快な思いをすることを、「スメルハラスメント」といいます。
1人の体臭が原因で仕事に集中できなかったり、職場の雰囲気が悪くなったりすることもあります。
2.本人にどうやって伝えるのか
人は他人の臭いは敏感なのに、自分の臭いには気づかないことが多いのです。
体臭を注意することで、本人を傷つけてしまう可能性もありますので、伝えることも躊躇ってしまいます。
特に体臭の原因が上司だったりした場合には、とても伝える気にはなれないでしょう。
いくつか伝える方法を挙げてみましょう。
3.まずは上司に相談する
社員が直接伝えてしまうことで、さらに職場の雰囲気が悪くなったり、社員同士のトラブルにもなりかねません。
まずは上司に話して、問題の解決方法を一緒に考えてもらいましょう。
体臭の原因が直属の上司だった場合は、その上の上司に相談しましょう。
3.対象の社員を飲みに誘う
上司にも参加してもらって飲み会を開いてみましょう。
正気の時は面と向かって本音が言えないことでも、飲みの席になると何でも言える雰囲気になったりします。
その雰囲気に任せて話してみるのも方法の1つです。
ただし、本人が冗談に取ってしまうこともあります。
一瞬だけ真面目に体臭のことを話して、すぐに話題を変えて雰囲気をさらに盛り上げると、本人の一瞬の心の傷が和らぐのではないでしょうか。
4.身だしなみについてのセミナーを開催する
セクハラ、パワハラのセミナーを開催している企業は増加しています。
しかし、スメハラ対策について取り組んでいる会社は少ないでしょう。
安衛法に掲げられている「快適な職場環境」を作り上げるにはスメハラも大きな問題となります。
セクハラ、パワハラセミナーの中にスメハラについても盛り込んでみてはいかがでしょうか?
スメハラというと刺激的ですので、身だしなみチェックセミナーと題してスメハラとはどういうものかを説明するのもよいでしょう。
スメハラ対策として自身の身だしなみに気を遣うことを啓発することで、今まで関心もなかった自分の体臭について気遣うようになるのではないでしょうか。
香水についてもどのような匂いなら職場でも問題ないかを伝え、見本の香水の匂いを体験してもらうのもお奨めいたします。
5.顧客にクールビズの理解を得る
暑い中、営業先にジャケットを着用して行く社員も多いと思います。
そんなジャケットは汗が染みて臭いの原因となります。
少しでも汗を抑えるためにジャケットを着用せず、半そでのワイシャツ、ノーネクタイで訪問することを顧客に事前にご案内しておくことで理解を求めましょう。
6.職場に消臭スプレーを置いておく
たばこ休憩を終えて戻ってきた社員の臭いに不快な思いをする人も多いものです。
消臭スプレーを設置して、たばこ休憩を終えた社員に使用してもらうようにしましょう。
臭いのきつい消臭スプレーはさらに不快な思いをさせる可能性もあるので、なるべく無臭の物にすることをお奨めします。
私も以前、香水の匂いがきつい社員について部下から相談を受け、対応に困ったことがあります。
笑いを交えて冗談っぽく伝えたり、「どんな香水つけてるの~?」と世間話を装って聞いてみたり、いろいろ手法を変えて伝えようとしましたが、本人になかなか理解してもらえず、結局相談者が直接本人に伝えてしまったことがありました。
後で、反省しましたが、未だにこうすればよかったという答えが見えてきません。
その方は男性で、ご自分の体臭を気にされて香水をつけていたからです。
過度に自分の体臭を気にすることで、さらにスメハラの原因になるという悪循環。
おすすめの香水を教えてあげるのも1つの方法だったかもしれませんね。