見て見ぬふりできない社内不倫
街の小さな印刷会社のS社長がため息をつきながら言いました。
「うちは社員数10人にも満たないのだけど、そんな中で妻子ある男性社員が独身女性社員と不倫をしているようなんだ。
社内の雰囲気も悪くなり、他の社員にも影響ができているので、厳重注意をしたんだけど・・・逆にプライベートなことに踏み込むなんてセクハラだなんて言われちゃって・・・クビしたいんだけど・・・どうしたらいいのでしょうか?」
1.社内不倫をしている社員を懲戒解雇できるか
多くの会社の就業規則では服務規律として「社内の風紀秩序を乱すこと」を禁止しています。
不倫行為が会社の風紀秩序を乱したとして安易に懲戒解雇することは難しいです。
不倫行為により業務に支障が起きているかどうかがポイントとなります。
周りの社員の雰囲気が悪くなっているだけでは、業務に支障が起きているとは言い難いのです。
かといって、男性の妻が会社に乗り込んできて、修羅場になることも考えられます。
こんなことがあっては業務はストップしてして、大きな支障が起きてしまいます。
このような事態に発展した場合には、懲戒解雇が有効となる可能性も高いです。
不倫行為が発覚したら、当事者二人から事情を聴取し、口頭注意から始め、それでもやめないようなら段階的な懲戒処分(譴責⇒出勤停止⇒減給など)を行います。
それでもやめず、業務にも大きな支障がおきてしまった場合にのみ懲戒解雇が認められると言えるでしょう。
2.不倫の出どころはどこなのか
例えば有給休暇届を二人が提出したことにより、人事部から不倫の噂が流れた場合、これは個人情報保護法違反に問われる可能性があります。
また、社外で二人が手をつないでいる写真を社内で流出させた場合はプライバシーの侵害となります。この写真を当事者に見せたりした場合には、逆に会社に対して損害賠償請求という事態に発展しかねませんので注意が必要です。
3.社内不倫を防ぐには
社内不倫を未然に防ぐ方法として具体的に挙げることは難しいです。
あるとすれば、男性社員が家庭で過ごす時間を増やすことです。
残業時間を減らし、家庭で家事や育児を協力するように会社が促すことにより、男性はより家庭を大切にするようになるでしょう。子供との時間が増えることにより、社内の女性に目はいかなくなるのではないでしょうか?
また、妻とのコミュニケーション不足による不倫も増加しています。
特に産後クライシスによる不倫は仕方ないと言われるぐらいです。(本当は許されませんが)
男性が育児に参加することにより、妻の産後の精神状態は安定し、夫婦間の関係も良好なものになると考えられます。