不公平!!1時間に1回の一服タイム
愛煙家の方で、勤務中1時間に1回一服に行く社員はいませんか?しかも10分以上戻ってこないなんてことも!!
これって煙草を吸わない人はその行為を不公平に感じている人が多いのです。
ではその不公平をなくすために会社はどのように取り組めばよいでしょうか。
1.一服タイムは労働時間とするのか
1時間に1回10分一服するとすると、所定労働時間8時間の会社では合計80分もの一服タイムを設けることになります。
その時間を休憩時間として時間控除できるのでしょうか?
休憩労働時間が6~8時間の場合少なくとも45分、8時間以上の場合は1時間与えなければなりません。そして原則は一斉休憩です。
一服タイムは一斉に取るものではありませんので、休憩とは言い難いものです。
仮に一服タイムを休憩としたならば、勤務中のトイレ、お茶を飲む時間はどうなるの?という問題も生じてきます。
そんな時間をいちいちカウントして労務管理をしている会社はまずないでしょう。
昔はデスクで喫煙することも許されていましたが、今では受動喫煙の問題から分煙とし喫煙所を設けている会社がほとんどです。
よって、会社が黙認したうえで労働時間としているのです。
2.一服タイムを規制できるのか?
勤務中のトイレは生理的現象で止めることはできません、お茶を飲むことは熱中症対策のためにも必要な行為です。
それでは喫煙は必要な行為と言えるでしょうか?
「喫煙室での談笑はコミュニケーションの1つであり、人間関係が深まる大切な時間です」とよく耳にします。それが勤務上必要な時間なのであれば、煙草を吸わない社員はそういった時間を持てないことになります。
そもそも従業員は勤務時間中、職務に専念する義務があります。
一服タイムが度々、しかも長時間取られているのであればそれは就業規則に定める職務専念義務違反に問われます。
ただし、喫煙は個人嗜好のものであり、喫煙者であることを理由に差別的な取り扱いをすることは許されません。喫煙者であることを理由に、減給、配転など不利益な扱いをすることはできないのです。
就業規則で、休憩時間を15分間別に設けて喫煙は休憩時間のみと規定したり、いっそのこと勤務時間中は禁煙としてしまうことも健康増進の意味で効果的です。
3.一服タイムは長時間労働のもと
一服タイムでロスした時間を残業で補っている社員も少なくありません。1時間に10分一服タイムを取る社員の中にはその80分の仕事を残業時間にこなす人もいるでしょう。
会社はその80分の割増賃金を支払わなければなりません。
そして、残業時間中にはなぜか一服タイムも長くなり、さらに残業時間が増えてしまうという悪循環が生まれます。
さらに、長時間労働のストレスから喫煙が増長し、体の不調が生まれ、最悪の場合脳卒中や心筋梗塞の原因ともなります。
それが業務に起因すると認められると労災認定されることとなり会社としてのダメージも大きいです。
喫煙によるだらだら残業が増えないように、一服タイムの規制をして長時間労働の抑止に努めることが大切です。