労働者側も注意!契約期間途中の退職
契約期間途中の退職
パートタイマーやアルバイトなど期間の定めのある労働者の退職には労使ともに制限があります。
期間の定めがある契約期間中は契約の解除はできません。
有期雇用労働者を解雇するには、原則としてやむを得ない理由がある場合に限られられています。
どうしてもやむを得ない事由により解雇する場合には、解雇予告除外対象者に該当しない限り、少なくとも30日前の解雇予告通知または平均賃金30日分以上の解雇予告手当ての支払いが必要となります。
期間を定めた契約中、使用者側は雇用する義務がありますし、労働者側も勝手に退職することはできません。契約期間中に本人の過失により退職した場合は、その労働者は使用者に対して損害賠償責任を負う義務が生じてしまいます。
ただし労働基準法第137条により1年を超える契約を定めている場合は、不当な雇用を防止するために、契約期間の初日から1年を超えてからはいつでも退職できることとなっています。
やむを得ない事由とは?
パートタイマーなどの有期雇用労働者が契約期間中に退職できるためのやむを得ない事由とはどんなものがあるのでしょうか?
・個人的なやむを得ない理由があるとき
・使用者が破産したとき
・使用者が債務を履行しないとき
・雇い入れ時に明示された労働条件が事実と相違するとき
以上の場合に限られ、契約期間中に勝手に突然退職して、会社に損害を与えた場合は損害賠償を求められる場合も考えられます。
しかし実際に損害賠償を求めることは難しく、賠償額が少なかったり、損害額が算出できなかったり、会社側の労務管理不足などが理由としてあげられます。
そして、労働者に支払い能力がない場合には払ってもらえず、裁判に要した労力が無駄になってしまいます。
契約期間中に突然退職し、損害を与えたからといってペナルティとして賃金を支払わないなどの手段に出た場合には労働基準法違反の賃金未払いとなりますので、注意が必要です。
パートタイマーの突然退職を防ぐには?
契約期間中に突然退職されてしまうと、会社側は新しいパートタイマーを採用する準備や引継ぎなどダメージは相当なものです。
パートタイマーが退職を申し出てきた時は、改善の余地があるか、労働条件を変更して勤務を続けることができるかなど、しっかり話し合いの時間を設けることが大切です。
パートタイマーに仕事の責任を押し付けていると突然の退職に対応できなくなってしまうことも考えられますので、日頃からパートタイマーの方ともコミュニケーションを取るようにし、本人の不満や希望などを聴く機会を設けることで、会社への不満が溜まって突然対照する事態を防止できるのではないでしょうか