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ついき社会保険労務士事務所
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お役立ちコラム

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会社の責任重大!?熱中症対策

1.減少傾向にない熱中症

 今年もだんだん暑くなり、熱中症対策が必要になってきました。

 仕事中の熱中症は労災扱いとなる可能性もあり、会社としても安全配慮義務ができていないとみなされてしまいます。

 厚生労働省の熱中所による熱中症の発生件数のデータを見ると、平成22年が最も多い47件となり、その後減少しましたが、それからは停滞状態です。

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 もっとも多い職種は建設業です。

 野外の作業がメインの仕事は特に厳重な対策が必要となります。

 野外だけでなく、冷房の節電のため室内気温が高くなり熱中症になる労働者も少なくありません。

 未だ減少していない熱中症、会社としてはどのような対策をしていけばよいのでしょうか?

 

2.会社で行うべき熱中症対策

① 作業環境管理

●WBGT値の低減

 WBGT値(暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指数)が、WBGT基準値を超える(おそれのある)作業場所(高温多湿作業場所)においては、「熱を遮る遮へい物」、「直射日光・照り返しを遮ることができる簡易な屋根」、「通風 ・冷房の設備」を設置する。

※ 通風が悪い場所での散水については、散水後の湿度の上昇に注意。

 

●休憩場所の整備

・高温多湿作業場所の近隣に、冷房を備えた休憩場所・日陰などの涼しい休憩場所を設ける。

・ 高温多湿作業場所やその近隣に、氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワーなどの、身体を適度に冷やすことのできる物品や設備を設ける。

・ 水分・塩分の補給を、定期的、かつ容易に行えるよう、高温多湿作業場所に、飲料水の設備を備え付ける。

 

② 作業管理

●作業時間の短縮などの措置

・作業の休止時間・休憩時間の確保と、高温多湿作業場所での連続作業時間の短縮

・身体作業強度(代謝率レベル)が高い作業を避けること

・作業場所の変更

 

●熱への順化

・計画的に、熱への順化期間(熱に慣れさせ、環境に適応できるようにする期間)を設ける。

 

●水分・塩分の摂取

・自覚症状の有無に関わらず、作業の前後、作業中の定期的な水・塩分の摂取を指導。

 摂取を確認する表の作成、作業中の巡視における確認など。

 

●服装など

・熱を吸収する服装、保熱しやすい服装は避け、クールジャケットなどの、透湿性・通気性の良い服装を着用。

・ 直射日光下では、通気性の良い帽子(クールヘルメット)などを着用

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●作業中の巡視

・高温多湿作業場所の作業中は、巡視を頻繁に行い、作業者が定期的な水分・塩分を摂取しているかどうか、作業者の健康状態に異常はないかを確認する。なお、熱中症を疑わせる兆候が表れた場合においては、速やかに、作業の中断などの必要な措置を講じる。

 

③ 健康管理

●健康診断および異常所見者への医師などの意見に基づく就業上の措置を徹底する。

※健康診断の項目には糖尿病、高血圧症、心疾患、 腎丌全などの、熱中症の発症に影響を不えるおそれのある疾患と密接に関係した、血糖検査、尿 検査、血圧の測定、既往歴の調査などが含まれています。健康診断で異常の所見があると診断されたときには就業場所の変更、作業の転換など適切な措置を取ることを義務付けられています。

 

●熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患を治療中の労働者について

・事業者は、高温多湿作業場所における、作業の可否、当該作業を行う場合の留意事項などについて、産業医・主治医などの意見を勘案して、必要に応じて、就業場所の変更、作業の転換などの適切な措置を講じる。

 

●日常の健康管理など

・睡眠不足、体調不良、前日などの飲酒、朝食の未摂取、感冒などによる発熱、下痢などによる脱水などは、熱中症の発症に影響を与える恐れがあるので、日常の健康管理について指導を行い、必要に応じて健康相談を実施する。

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●労働者の健康状態の確認

・作業開始前・作業中の巡視などによって、労働者の健康状態を確認する

 

●身体状況の確認

・休憩場所などに、体温計や体重計などを備えることで、必要に応じて、体温、体重その他の身体の状況を確認する。

 

④労働衛生教育

・作業を管理する者や労働者に対して、あらかじめ次の事項について労働衛生教育を行う。

(1)熱中症の症状 (2)熱中症の予防方法 (3)緊急時の救急処置 (4)熱中症の事例

 

3.熱中症と思われる症状

軽度・・・めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗

中度・・・頭痛・気分の丌快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感

重度・・・意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温

 以上の症状がみられる労働者については、すぐに涼しい場所へ移動させ、脱衣・冷却など応急処置を施します。

 意識がないようであれば救急隊の要請をし、意識があるのであれば水分・塩分を摂取させてください。接種できない場合は医療機関へ搬送しましょう。

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 自分は大丈夫と思っていてもいつのまにかなってしまっている熱中症。

 過信は危険です。一歩間違えば命に係わります!!

 水分は喉が渇く前に摂取し、外出時は帽子や日傘を利用し、日陰を歩くように心掛けましょう。

 これからやってくる猛暑への覚悟はできていますか?

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