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お役立ちコラム

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始業時間前出勤は労働時間なのか

始業時間前の準備に賃金は発生するのか?

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始業時間ぎりぎりに出社し、PCを立ち上げてコーヒーを飲んで休憩してから業務に取り掛かる社員Aさん。

Aさんに対し社長は「始業開始は9時なのに君は9時過ぎてから仕事を開始している。始業開始15分前には出社しなさい」と言ったところ、

「その15分は労働時間なのだから残業代払ってください。」と騒がれてしまいました。。

 

さて、その15分は労働時間になるのでしょうか?

 

社長が15分前出社を義務付けてしまったら、その15分は労働時間となり賃金支払い義務が生じます。

裁判所は、労働時間とは

労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間であるとしています(三菱重工長崎造船所事件・最高裁平成12年3月9日判決)。

労働を強制しているかどうかがポイントです

つまり、タイムカードの打刻時間=労働時間ではなく、会社の指示のもとで行動しているかどうかで労働時間が決まるのです。

 

条文例

このケースでは、15分前出社と具体的にはせず、始業時間には業務を開始できるようにと抽象的な表現にし、社内でのエチケットとして従業員に心構えを持たせることを目的に、次のように就業規則に規定するとリスク削減ができます。

 

図1

 

規定後の注意点

就業規則に以上のように規定したからといって、余裕をもって出社しなかった社員の査定を低くしたり、懲戒処分の対象にしたりするのであれば、これは会社から強制されていることになりますので、労働時間となります。

逆に、早出しなくても上司から注意されることがないのであれば、これは自主的な活動ですから労働時間とはなりません。

日頃から社長が早めに出社して活動しているところを社員に見せていると、社員も自然と始業時間前に準備を済ませようという気になります。

いつまでも「重役出勤だから」なんて言っていると、社員もだらだらするようになってしまいがちです。

従業員に強制するのではなく、自然に行動を起こさせるように社長自ら行動することを心掛けましょう。

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